思いやりとモノ作り、ふたつの成長が交錯する工作【強力ハサミ】

長男と双子の関係性

以前の長男は、双子の赤ちゃんに対しほとんど「無関心」だったように思います。
たとえば、隣で赤ちゃんがギャン泣きしていてもまったくスルーで自分の好きなことをしていました。ガラガラであやしてあげようとか、「お母さん、赤ちゃんが泣いてるよ!」と知らせてくれるとか、そんな気概はまるでゼロ。どれだけ泣いても正常運転で遊んでました。
「どうして放っておけるんだろう」とあきれる気持ち50%、「少しは赤ちゃんに思いやりを持って欲しい」と親として悲しい気持ち40%、しかし残りの10%は、「頑張って無理に抱っこでもされたら怖いからこれでいいや」と思っており、特に指摘したりもしませんでした。私自身も、ギャン泣きに対応できず放置せざるを得ないことが多く、そんな親を見ているから「赤ちゃんは泣いていてもいいもの」と思っていたのかもしれません。
大人から見ればかわいい赤ちゃんですが、4歳としてはあまり「抱っこしたい」「触りたい」という気持ちもなさそうで、長男と双子のからみはほとんど思い出せません。
ただ、公園や通りでベビーカーをのぞいて「かわいいね」と声をかけてくれる人がいると、必ず「赤ちゃん2人いるんだよ」と嬉しそうに説明していました。弟が双子であることを少し誇りに思っていたのかもしれません。

弟のための絵本を制作

そんな長男が急激に成長したと感じたのは、やっと年長さんの秋になってからです。
突然、「ミツとムツのために絵本を描く」と言い出し、ムツが大好きなゾウさんを表紙にした作品を作り始めました。
年少さん時代は絵を描くといってもグルグルしか描けなかった彼ですが、年中さんで少しずつ形が描けるようになり、年長さんになってからはお絵描きや制作が大好きになっていました。(※クオリティについては不問とします)
ただお絵描きするだけでなく、不格好ながら紙を束ねて「製本する」ということもいつの間にか覚え、漫画や絵本を作るようになりました。その中で描いてくれたのがこの作品です。

『どうぶつのいちにち』と描いてあります。
長男が「1日1ページ描く」と宣言し、母は表紙のかわいいゾウさんに期待高まっていたのですが、次の日にフクロウとトラ(たぶん)を描いたきり、しばらく放置されておりました。
催促したら一気に次ページ以降を仕上げてくれましたが、だいぶテキトーのような笑


6歳男子の意欲持続力はそんなものだろうと思うので別にいいんです。うん、いいんです。
とにかく、「弟が好きなものを作ってあげよう」という気持ちになってくれたことが嬉しいです。

弟のためのガチャガチャを制作

弟のために作ってくれたのは、絵本だけではありません。
ある日、「ミツムツのためにガチャガチャを作ってあげたい」と言い出しました。長男の考えでは、ラムネ入りのカプセルが出てくるようにして、「ごはんを完食したらガチャガチャをやっていい」というお約束をするというアイデアらしいです。

どうしてそんなことを長男が考えたかと言うと、双子は0歳5カ月で離乳食が始まって以来ずっと食の進みがよろしくなく、最近ではそこにイヤイヤ期も加わって毎日が戦争。荒れ散らかるテーブルと母の機嫌を見ていて、それを解決してあげようと思いついたのです。こんなことまで考えてくれるようになっただなぁとしみじみ感動しました。
最初、紙をチョキチョキ切って自ら考案した仕組みのガチャガチャを作りだしたのですが、さすがにそれは難しかった(この話は長くなるので別記事にします)。最終的に私がインターネットで段ボール工作のガチャガチャを調べて制作し、長男には装飾を担当してもらいました。

ガチャガチャの前面にはまたムツが大好きなゾウさん(たぶん)が描いてあり、双子の完食へのモチベーションを爆上げにしようという意図が伝わってきます。
「ミツムツ、喜んでくれるかなぁ」なんて言いながら一生懸命描いていました。
こんな言葉が長男の口から聞けるようになるなんて、この2年間でいつの間にか成長したんだなぁと…。長男の弟思いの制作活動には、毎回感動しきりです。(クオリティについては不問です。。。)

ちなみにこのガチャガチャ作戦、実はまだ実行していません。なぜなら、2台作らないときっとケンカになるのではないかなぁと思い…。完成した1台目を洋服棚に上げて一旦保留にしたらそれきり忘れ去られてしまい、文字通り「棚上げ」となっております。

段ボール工作が気に入った長男

ガチャガチャ制作以来、長男は「段ボールで作ると紙ではできないものが作れる」ということを覚えたようです。毎日、段ボール工作をやりたがるようになりました。でも、段ボールは硬くて、6歳児が力を入れてハサミを使うと流血事件を引き起こしそうな怖さがあります。カッターなんて、より恐ろしくて絶対渡したくないですし。
でも、せっかく制作意欲があるんだから、好きなだけ作って遊んで欲しい。ものを作るのが楽しいっていうのは、それだけで素敵なことです。できるだけ協力してあげたい気持ちはある…。
そこで、せめても少しは安全なようにと思って買ったのがこちらの強力ハサミ。

軽い力で切れるのだったら、段ボール工作もそんなに大変なものではなくなりそうです。試しに私も使ってみました。
ほう!これは!
紙を「チョキチョキ」切るように、たしかに簡単です。

切れやすいということはやっぱり、指を切ったりするのが怖いのですが、そんなことを言っていたら何もできない。よくよく「気を付けて扱ってね」と伝えて渡しています。

強力ハサミを手にした長男は、毎日段ボール工作に勤しんでいます^^

オマケ:長男作品集

長男は、弟に喜んでもらえる物も自分が欲しい物も、なんでも自分で作るようになりました。3つほど、こちらにご紹介させていただきます。

DJセット

「DJ」なんてどこで見たのかわからないのですが、突然「DJができるオモチャが欲しい」と言い出した長男。「4カ月後の誕生日プレゼントならいいよ」と言うためにちょっと金額を調べようとしたのですが、そもそも長男が想像しているようなレコードを乗せて遊べるオモチャはありませんでした。「ないんだよね~」と煙に巻いて終わりにしようと思っていたら、私がモタモタしている間に自分で段ボール工作してしまいました。
欲しいおもちゃを自分で作るようになるなんて、これも素晴らしい成長です!

カチンコ

大きな公園に行った時、パパのおさがりスマホを使って動画撮影を始めた長男。「今、●●公園に来ていまーす」なんて解説しながら自撮りしていて、気分はYouTuberのようです。その経験から発展し、現在は映画を撮ることに意欲的。「春休みになったらまたあの公園に行って撮影しよう!」と楽しみにしています。
そこで作ったのがこちらのカチンコ。段ボールなので音が鳴るわけではありませんが、ちゃんと可動するように作ってあるのがいいですね◎

かばちゅー専用歯ブラシ

かばちゅーというのは、ムツお気に入りのカバのアニアです(アニア:トミカでおなじみのタカラトミーが作っている動物フィギュアのこと)。毎晩寝る前は、双子に歯磨きをさせるためにカバの歯磨き動画を見せているのですが、それを見たムツがどうしてもかばちゅーにも歯磨きをさせたくなってしまいました。「ダメダメ、それはムツの歯ブラシだからかばちゅーには使わないで!」と止めたら泣いて大騒ぎ。それを見たお兄ちゃん、「かばちゅーの歯ブラシ作ってあげる!」と迅速に制作してくれました。弟のために何でも作っちゃうお兄ちゃん、かっこいい!

制作を通して、長男が弟を思いやる心の成長、そしてモノ作りの技術的な成長を感じることができたというのが今回のお話。
次回は、いっしょに遊ぶとなると敵対ムードだった弟との関係性にも変化の兆しがあり、そこでもまた長男の制作活動が一役買っているという良いお話を書こうと思います。

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